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  • 執筆者の写真Tomoo Onoda

バー浜海底ワイン


海底ワイン、というのをご存知でしょうか。

ワインは、紫外線や温度が上がらない洞窟やワインセラーなどで保管し、数年から数十年熟成させると飲み頃を迎えるといわれます。その熟成を海底で行うのが海底ワインです。海底は洞窟などと同じで、薄暗く、水温は夏でも上がりませんからワインの保管に適しています。さらに、海のなかでは波やうねりによる振動があり、また、水中では音が空中の4倍伝わりやすいので、いろいろな音波がワインのボトルに当たり、これらがワインの熟成を進めると言われています。

小野田は、二年前からバー浜にワインを沈めています。ワインは高温にさらされるとダメになってしまいますから、作業は気温が低い秋または冬に行います。

ワインは、しっかりとタンニンの効いた重めの味(フルボディー)を選びます。

最初はワインボトルをそのまま沈めたのですが、一週間後にみたときには水圧でコルクが押し込められて、ボトルは海水で満たされていました。これではいかんと、ワインの口をロウで固めてみるとうまくいきました。ロウが薄いと海水がわずかに入ってきて塩味のワインになります。チーズを頬粘膜にすりつけてフルボディーの赤ワインを流し込んだときのような、ここちよい塩味です。それはそれで良いのですが、ワインの熟成とはちょっと違います。そこで、ロウをたっぷりと重ね塗りすることにすると、うまくいくようになりました。

沈めるのは、ここ、バー浜の水深20mの潰れた四角かご。

でさて、ワインの準備でをしましょう。ロウは60℃程度で溶けますから、お湯をいれた鍋に瓶を置いてそこで溶かします。

そこにワインの口をつけては外気で冷やし、つけては冷やしをくりかえして、ロウを重ね塗りしていきます。

さて、海底ワインの飲み比べをしましょう。セラー熟成ワインと海底ワインとでは味はや香りはたしかに違う。海底ワインのほうがまろやかになっているような気がするが、なにがどう違うのかわからない。

そこで、岡山駅前の有名バーの常連さんに口利きをしてもらい、ワインを持ち込み、そこの某有名ソムリエさんにも試飲してもらうようになりました。半年の経過では、むしろ海底ワインの方が熟成がおそい、とのコメントをソムリエさんからいただきました。

なるほど、120年もたったワインは通常、熟成しすぎて飲めるものではないといわれます。沈船から引き揚げたワインが飲めたのは、熟成が遅いからかと思うと、理屈がとおります。

一年の経過では陸上熟成ワインと海底ワインの熟成にクロスオーバーが生じてきたといわれました。すなわち、海底熟成ワインの方が熟成がすすんでいるということです。これは一体どういうことでしょう。次回が楽しみですね。

ところが、一年半の経過を比べようとした半年前は、なんと引き上げるワインを間違えてしまい、比較になりませんでした。

くらべてみると、瓶の形が違いますね(笑)

ワインのラベルは、水中では剥がれてしまい、なんのワインか、いつのワインかが分からなくなるのです。そこで、新しく沈めるワインはそこで、ワインの銘柄、ビンテージをプリントアウトして、それをラミネートして留めておくことにしました。手間ですね(笑)

さて、明日は二年海底熟成したワインとワインセラー熟成したワインの飲み比べを、岡山駅前のバーで行います。岡山の某高級鉄板焼き店のソムリエさんも参加予定です。

どうなっていますやら


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