• Tomoo Onoda

2017年12月10日バー浜セルフ ウェットスーツで越冬中


バー浜の冬は暖かい。赤道から流れてくる黒潮が当たっているためです。黒潮の流れは速くて強く、その流れは4ノット(時速7.4km)にも及ぶそうです。1日で178km、2日で355km!

355kmをgoogle地図に当ててみると、バー浜のある大月町から和歌山の沖を通り越す勢いです。実際の黒潮は蛇行をしていますが、それにしても随分な移動距離です。これなら赤道直下の暖かい海水を冷めないうちに運んでこられますね。

しかし、そのバー浜も少しずつ冬へと向かっているようです。水温は先週よりも、ぐっと下がって19.2℃。

町中の温水プールの水温は30℃くらいですから、19℃がいかに冷たいかはおわかりだと思います。

ダイビングはウェットスーツを着ていますから多少の水温には耐えられます。ウェットスーツは、素材内の海水の染み入りを減らしてして、体温を保ちやすいようにできています。しかし、体とスーツの間に隙間があると、そこから冷たい海水が流れ込んでくるので、その効果は台無しです。水温が高い夏だけだったら、隙間のあるレンタルや通販もので十分なのですが、秋や春にも潜ろうというのならば、採寸をしてもらって体にフィットしたものを誂えたほうが、断然暖かいのです。

私は、昨年までは、モビーという有名メーカーのウェットスーツを誂えて着ていました。

ちょっと高級ないいやつです。

それでも水温が下がって22℃になると、寒いのでドライスーツ(防水タイプで内部に水が入ってこない)にしていました。ドライスーツは暖かい。しかし、ドライスーツには、重大な弱点があります。それは人間の生理現象に関わることです。

ドライスーツは暖かいとはいっても、海の中では体温は下がります。体温が下がると、人体はノルアドレナリンを放出し、手足や皮膚など末梢の血管を収縮させて、体の中枢血管の血流を増やします。さらに、海の中では末梢の血管は水圧で圧迫されて収縮するので、中枢の血流はどんどん増えていきます。中枢の血流が増えると、どうなるのでしょうか?

中枢の動脈、すなわち大動脈の血流が増えると腎臓への血流が増えるのです。腎血流量が増えると尿が増産されます。尿が増産されると膀胱がいっぱいになります。まあ、たいへん、たいへん。

海の中では、さらに膀胱にも水圧がかかります。尿意があるときに誰かに下腹部を押されるのと同じですから、たまりません。きゃあ。

さて、このような事態となったとき、ウェットスーツならば、少々ちびっても洗えます。海水が少しずつ証拠を洗い流してくれます。しかし、ドライスーツは完全防水なので、内部に放尿をしようものなら一滴も漏らすことなく、内部が尿に満たされることになります。

これまでに、そのような事故があったわけではありません。また、ウェットスーツだからといって、海中で粗相(そそう)をすることはありませんが、かくしてこの冬、私はウェットスーツで越冬することにしたのです。

バー浜でウェットスーツ越冬をした人は、過去にいないわけではありません。

イッシーさんが、ウェットスーツで越冬しているところが、昨年、目撃されています。イッシーさんは、外資系製薬会社勤務を経てパラオでスキューバ・ダイビングのインストラクター兼ガイドをしていましたが、あるとき帰国して薬学部に入りなおし、薬剤師になって高知へ移住し、現在は薬局勤務とともに全日本潜水連盟の理事を務めているという異色の経歴を誇る神奈川県出身のバー浜の民です。

そのイッシーさんが着ているウェットスーツがセトアクアでした。冬でも全然寒くないよ、と言われるので、私もイッシーさんの紹介でセトアクアのウェットスーツを作ることにしました。

セトアクアは、岡山県玉野市の渋川海水浴場にある瀬戸内アクアラングという会社でつくられていました。

えっ、渋川?

渋川海水浴場といえば、自分の玉野の実家からすぐの距離で、子供のころから夏になると自転車でよく通ったものでした。渋川海水浴場は自分の庭のようなものです。

高知の西の端っこで、自分の地元の、それも庭の中にあるような会社を紹介されたわけです。逆輸入ですわ。

瀬戸内アクアラングは潜水作業を行う業者相手にウェットスーツをつくってきた会社とのことで、その質は抜群です。暖かさはモビーに比べて大差で圧勝、内生地の肌さわりは、ずっと頬ずりしたくなるほどですが、お値段はモビーの6割くらいです。

さて、防寒対策は続きます。

次は、ウェットスーツの中にバブをいれます。バブは水中で発泡し熱を発することは、ダイバーの間では広く知られています。海中のカイロとなるのです。私は『柚子の香り』がお気に入りなのですが、海から上がってきたときに、自分の足元に黄色い液溜まりができるのが欠点です。それは栄養ドリンクを飲んだ後のおしっこのようです。

写真は私の足元にできた黄色い液だまりを踏んでしまった、バー浜ネコの太郎君です。

あとは、フードベストといって、海女さんみたいな頭から肩まで覆ってくれるようなものを装着していざ、海へ。

多少、海辺はバチャバチャしていますが、海の中に入ってしまえば辺りは落ち着いています

まずは、クマノミのお出迎え。こいつらは近づくと、こつこつとゴーグルをつついてきます。人懐っこいのかと思えばそうではなく、実は攻撃を仕掛けてきているのです。一度、側頭部をかじられて流血したことがあります。

サンゴの死骸に隠れているタコ。眼がみえますか? タコはエビが好物なので、私にとっては害獣です。

これはイソギンチャクカクレエビ。可愛いですね。タコからしっかり逃げるのですよ。

バー浜でもっとも大きな指標となる三角岩の手前には久しぶりのイソギンポ。トサカが素敵ですね。

キンギョハナダイたちを見ながら進むと、

モイカ。コウイカの一種で食べる系のイカです。

ウミテング。食べられない系の代表です。たまにはこっちを向いてよ。

これはダルマオコゼ。かわいいので人気のおさかなですが、実はハブの50倍ともいわれる毒を背びれにもっていますので、あまり触らないほうがいいとのことです。

ワニゴチ。いったい何をたべるのでしょうっていうくらい口がでかい。

ペアでイチャイチャしていました。ワニゴチのくせに。

水深28mのミジンベニハゼの団地へ。最近、ミジンくんたちが慎重ですぐ引っ込みます。

天敵のトラギスが辺りをうろうろしていますから、慎重なのは悪いことではありません。

あ、ミジンの瓶のふたが開いてしまっています。オウモンハタの幼魚がはいっています。お母さんに比べたら可愛いので許しましょう

瓶から出られなくなったお母さん。

そろそろ寒くなってきたので、退散です。さて、来週のバー浜はどうでしょうね。

ウェットスーツで大丈夫かな?

写真は最近、姿を見せるようになったミーちゃんの子供。 色は黒いのですが、クロちゃんの子供としては認知しがたい毛の長さです。。。


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